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2020/10/27
総合事業、要介護認定後の継続利用も可能に 改正省令が公布 来年4月施行へ
要支援の高齢者らを対象とする介護保険の総合事業を見直す改正省令が22日に公布された。【Joint編集部】
市町村が本人の希望も踏まえて必要性があると認めた場合に、要介護になっても訪問型、通所型のサービスを引き続き受けられるようにすることが柱。現行のルールでは、要支援の高齢者でないと総合事業のサービスは利用できない。来年の4月1日から施行される。
厚生労働省は同22日、改正省令の内容を全国の自治体へ通知した。介護保険最新情報のVol.885で現場の関係者にも広く周知している。
サービスの継続性を担保して地域とのつながりを維持してもらうため − 。
厚労省は見直しの趣旨をそう説明している。方針を決めたのは昨年末。制度のあり方を議論していた審議会で、自治体サイドからの以下のような要請もあって弾力化に踏み切る判断を下した。
「要介護の認定を受けると、それまで使っていたサービスがとたんに使えなくなってしまい、作ってきた関係性が途切れてしまう」
今回の改正省令は、もともと総合事業のサービスを利用していた高齢者が要介護の認定を受けた場合に、そのまま継続させることを認めるもの。介護給付との併用も可能だ。厚労省はこのほか、総合事業のサービス価格の上限を自治体が柔軟に引き上げられるようにすることも盛り込んでいる。
他方、利用者の立場を代表する団体にはこの見直しに抵抗する動きがある。
認知症の人と家族の会は先月、総合事業の対象者を厚労省が弾力化することについて、「サービスを総合事業に留めておくことを可能にするもの。要介護者の保険給付外しの突破口」と指摘する緊急声明を発表。「極めて危険な内容。断固反対」などと撤回を求めているが、来年4月から施行されることになった。