厚労相「国内人材の確保にも全力をあげる」 介護の外国人受け入れ拡大で強調
まだまだ、進まぬ。
根本匠厚生労働相は15日の参議院・厚生労働委員会で、新たな在留資格の創設による介護分野への外国人労働者の受け入れ拡大をめぐり、国内人材の確保や現場の生産性向上に引き続き注力していくと改めて強調した。
介護職員の労働条件を良くしていこうという動きが後退してしまうのではないか、という野党側の懸念を否定。「これまでも処遇改善を進めてきた。来秋には平均で月8万円相当の賃上げ(ベテラン介護福祉士が中心)も行う。国内の皆さんにも入ってきて頂きたいということ。今回の新たな外国人材の受け入れは、国内人材の確保や生産性向上の取り組みを尽くしたとしてもなお必要となるため行うもの」と説明した。
政府は14日、来年度から2023年度までの5年間の受け入れ見込み数を公表。介護分野は最多の5万人から6万人と推計されている。根本厚労相は「国内人材の確保に全力をあげ、外国人材をしっかりと受け入れる。共生社会を作り上げる環境整備を強化していく」と理解を求めた。
「特定技能 2号」、介護は対象外
菅義偉官房長官は14日夕の会見で、新たな在留資格のうち熟練した技能を修得した外国人を対象とする「特定技能 2号」について、建設と造船の2分野に限定する方針を表明した。
新たな在留資格「特定技能」は「1号」と「2号」の2種類。まずは「1号」から始まり、より高い知識・技術を身につけたと認められた希望者が「2号」に移れる仕組みとなる。「1号」の在留期間は通算5年が上限。一方の「2号」はそうした上限がなく、仕事を続けていれば長期間に渡り暮らしていける。
政府は介護を「2号」の対象外とする考え。現在、日本の養成校を出て介護福祉士の資格を取った人に何度でも更新できる在留資格を与えているが、技能実習や「1号」の間に介護福祉士になった人も同じ扱いとする案を検討している。